認可保育園での勤務を経て、まごめへ。4人の子育てを通して、幼児期に思いきり遊ぶことの大切さを実感し、まごめに入職。子どもたちと一緒に夢中になって遊び、ときには「ギンギラギンにさりげなく」を踊ってみせる。子どもにも大人にも、まっすぐ向き合ういいおちゃんです。


泥だらけの下駄箱に「ここだ!」と決めた理由

私が働きたい保育園の基準になっていたのは、自分の子どもを預けていた保育園。自由保育で、地方都市だから敷地も広く、遊びを途中でやめなくても続けられる環境だったんです。 例えば、ホールがあって基地を作ることに盛り上がっていると、ご飯の時間は食事をするお部屋に行って食べて、また続きができる。片付けを厳しく言われないのも、「片付けるのが嫌だから広げない」という子が出てきちゃうから、片付けを気にせず、自分の思いの丈を全部遊びにぶつけられるような環境だったんです。私もその時は子育て初心者だったので、それを聞いて素晴らしい考えだなって。 子どもを保育園に通わせながら、私自身も学ばせてもらいました。

子育ても終わりが見えてきて、あのとき園長先生が仰った、「自由保育で、やりたいことをやりたいだけやらせる」幼児期を過ごすということが、どれだけ大事か実感して、 そういう園で働きたいなって思ったの。それでまごめを見学にきた時、泥だらけの下駄箱を見て、「あー!ここだー!」って思って入職しました。

まごめに入ってからは、遊びは私より子どもたちの方が先輩じゃないですか。子どもたちは堂々と先に行くからさ。私はもう後から必死について行く。本当にね、子どもがたくましく見えて、「頼りになるなー!」と思った。楽しいことがいっぱいある。発見が無限!何もないところで、子どもたちは遊びを見つける。子どもからたくさん教えてもらいました。


大人が夢中になると、子どもたちが変わる

リトミックの先生が来てくれた時に、子ども達がノリノリで踊っていて。当然、大人の私たちも一緒に踊るじゃないですか(笑)音が鳴れば自然に体が動いちゃうじゃない?そうしたら先生が、「ここの先生は一緒に踊るんですね!」って驚いていたの。でもさ、一緒に楽しまないともったいないじゃない!

川崎の夢パークには、水が流れる滑り台があって、お風呂のマットを敷いて滑るとすごいスピードがでるの。「やろー!やろー!」って、私たちが一番最初に子どもとドバーン!!!って泥だらけになる。大人が子ども以上に楽しむと、子どもたちのやる気が出るんですよ。エンジンがかかる!遠慮している子も「楽しそうだからやってみようかな?」ってなるのよね。大人も自分が楽しみたいっていうのはあるけど、本当に楽しそうにしていると、みんなが引き寄せられてくるんです。


子どもたちが夢中になる瞬間。それが私たちの宝物

半プリン公園で一通り遊んだ後、だいたい靴を脱ぐんです。その靴を持って、滑り台の上から投げる。「誰がいちばん遠くまで投げられるか」って。最後は大人が靴を隠して、「見つけた人だけ帰れるよ!」と言い、遊ぶ(笑)体験に来ていた人が、「靴だけでこんなに遊んだの初めてです!」って感激してくれて。でも、こういう風に子ども達が次々工夫して遊びを広げるというのがまごめの遊びの特徴。私たちもむやみに「ダメ」って言わないんです。

同じ場所に行っても、毎回違う遊びが始まるのよ!ここではこうっていう決まった遊び方がない。それはまごめの逞しさだと思う。その中で、ある瞬間に「今日はこれだ!ぱあーーー!!!」って爆発する時があるんです(笑)そのときの子どもたちは本当に「きらきらきらきらー!!!」って輝くの!私たちの想像を超える発見をして、夢中になっていく。あの瞬間に立ち会えることが、まごめの大人をやっている醍醐味だなぁって。本当に尊い。

帰ってから「今日すごかったね」「あの子が最初にやったんだよね」って、職員同士で振り返る時間が至福。私たちにとっては宝物です。


子どもの「やってみたい」を、どこまで見守る?

楽しむところと安全のバランスは難しい。ある子が細い段差を歩いて、どんどん高くなっていったんです。まごめでは「乗っちゃダメ。」とは言わないんですね。「ここからじゃ降りれないって思ったら、自分で低い方に行って。自分で降りる場所を決めるんだよ。」と伝えます。その子も自分で降りようとしたけど、着地の瞬間に顎を打ってしまった。その事は、その子にとっても、私にとっても大きな学びでした。
そういう状況を説明したら親御さんも理解してくださって。そうやって自分で決めて失敗する経験は、その子にとって大きな経験だと思う。自分で考えて決める。その結果を経験する。うまくいかないことも含めて、自分の経験にしていく。それって、生きていく上ですごく大事だと思うんです。それがまごめでは、そこかしこにあるんだなって。

子どもが自分で考えて挑戦することは大切にしたい。でも、どこまで見守って、どこで止めるか。大人の判断も問われる。
だからこそ、自分自身が心身ともに元気でいることも大切。体調がよくない日は無理をしないで休んだ方がいい。子どもの挑戦を支えるために、大人も自分の状態を見つめる必要があるのだと思います。

 
自由に遊ぶ。でも、何でもありじゃない

まごめが1クラス5〜7人という少人数制は、すごく考えられているなって思います。自由に動き回れて、大人の目も行き届く。それに、この人数だと嘘やごまかしが通用しないんですよ(笑)。大人が見ていなくても、誰かが見ている。例えば、ジェスチャーゲームをやった時のこと。大人がお題を紙に書いて、子どもが答えるゲーム。でもやる前に答えをこっそり覗こうとする子が必ずいるんです。でも、それは絶対にダメ。「ズルしたら面白くないでしょ。みんな分からないから面白いんだよ」って。要するに抜け駆けができないんです(笑)「世の中では結構誤魔化しができちゃう」と思って社会に出ちゃう子と、 「嘘は絶対にバレる」ということが心の中にあって社会に出る子だと、全然違うなと思うんです。 そういうのがね、だいたい第2子、3子とかが長けていて、下の子は上手に立ち回るのよ。「結構僕、バレないんだ」ってチャレンジしてくる子もいるんだけど、まごめにいる間は絶対にダメなんだって、もう身に染みて卒園してもらってます(笑)

まごめでは、「楽しい」ことがものすごく大事なんです。だから、それがなくなることは良くない。最初は大人が伝えるけれど、そのうち子どもたち同士で「つまんなくなるじゃん、やめてよ!」って言い始める。だんだん大きくなると、大人が言わなくても子ども同士で解決できるようになっていく。そういう関係性って、すごく大事だなって思います。


採用面談に保護者が3人!? まごめの共同保育

採用面談の時に保護者が3人くらい来ていたんです。もう、誰が親で誰が先生なのかわからない(笑)。「え?親?なんで?仕事、大丈夫?」ってびっくりしちゃって。でも、仲間が増えることをすごく大事に思って、来てくださったんだなと思いました。面談では、自分の子育ての話や、まごめに出会えて本当に嬉しかったこと、保育見学の時間が楽しかったことを話しました。そしたら、保護者が私のことをすごく推してくれたんです。「楽しめる人じゃないとまごめはダメだから」って。

採用されて1か月くらい経った頃、その保護者から「いいおちゃん、どう?何か言いにくいことがあったら、いつでも言ってね」って声をかけてくれて。「え?この人、親だよね?」ってまたびっくり(笑)。でもその時に、「共同保育ってことか!」って思ったんです。たくさんの人が私のことを見守って、気にかけてくれている。「何かあったら話していいんだな。相談できる人はいっぱいいるんだ!」って、すごく嬉しかった。

「仕事ですから!」というより、「家族ですからね〜」みたいな感じかな(笑)。疲れたときは「疲れた」って言っていい。でも、「疲れたけど、すっごい楽しかったよー!」とも言い合える。そんなところも、まごめの共同保育ならではだな、と思います。


子どもたちの「今」を受け止めるために

私自身4人の子育てをして、本当に大変で。「ちょっと待ってて!」って、たくさん言っちゃったんです。でもね、子どもって「今」なのよ。今見てほしいし、今聞いてほしいのよ。今この感動を共有したいの。その気持ちって、後になるともう無くなっちゃうわけ。そのためには、自分が身も心も健全じゃないとできないなって思う。子どもたちの純粋さに向き合える自分でいられているか、毎日、家を出るときにいつも確認する。子どもってすごいの!全部見抜く。本音で話さないと見透かされちゃう。分かってくれようとする大人か見極めがすごい。伝えたい思いを、伝わる人に話したいって思うんだよね。だからこそ、子どもたちに声をかけてもらえる大人でいたいな。

趣味のウクレレを、時々子どもたちに演奏してくれる